<迷子猫探し/No.29>逃げたてんちゃんが最も傷ついていたことと向き合う(アニマルコミュニケーターに相談する/失踪から45日以降)
道の真ん中にぽつんと見える白っぽいのがてんちゃん。最後の方は、追ってる最中にわたくし達がてんちゃんの姿を見失うと、こうやってわたくし達が再び姿を現すまで、逃げずに待っていてくれるようになりました。
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相談をした動物プロダクションの人に
と言われたものの、今までアニマルコミュニケーターのIさんを通して聞いてきたてんちゃんの考えていること、気持ちは、どこをどう切り取ってみてもつじつまの合う話だったので、もう一度、これが最後になるように、と願って、Iさんにてんちゃんの今の気持ちを聞いてもらうようお願いしました。
(それまでにIさんを通して教えてもらったてんちゃんの気持ちについてはこちらをご覧ください)
今回私たちが一番確認したかったことは、
「てんちゃんを捨てた訳ではないということが伝わっているのかどうか」
ということで、もしそれが伝わっているのだとしたら,なぜ戻ってこようとするそぶりを見せてくれないのか、
ということでした。
てんちゃんが無事でいる姿を見つけてから約2週間、私達としてはもう考えうる限りの言葉と手段を尽くしててんちゃんと向き合ってきたつもりでいたので、思いが伝わってない訳がない、という気持ちがあり、それだけに、もうどうしたらいいのかわからない、とてんちゃんに対してイラつく気持ちを抱えていました。
てんちゃんが歩み寄る態度を見せてくれないと、なんにも解決しないよ。
当時私が口癖のように言っていた言葉です。
ここまでやって、これ以上、何を望むのよ。
そんなことも思ってた気がします。
でも、Iさんから聞かされたこの時のてんちゃんの気持ちや状況は、そんな私に往復ビンタ並みの衝撃を与えました。
「てんちゃんには、捨てた訳じゃないってことはもうちゃんと伝わってます。
でも、てんちゃんは、『わかって欲しい』って言っています。
ひとりぼっちになって、家族と離れて、どれだけ怖くて辛くてかなしい思いをしたか、わかって欲しいと。
・・・ふと聞こえてきて、でも私も良くわからなかったので、あえて突っ込んで聞かなかったんですが、てんちゃんは、
『こういうの、2度目だよ』
って言ってます。以前にも、誰か大切な人と別れた経験があるみたいなんですが、心当たりありますか???」
・・・思わず絶句してしまいました。
誰からも必要とされない孤独とひとりで戦っていたてんちゃん
てんちゃんは、うちに来る前は、わたくしの仕事場の目の前にある広い河原の土手でノラ生活を送っていました。
でも、もとからそこにいた子ではなく、ある日突然姿をみるようになったネコでした。
その時からものすごく人に慣れていて、なつこく、そんな性格だから、あっという間にその地域の人、みんなにかわいがられるようになりました。
体格も見かけた当初は結構ぷっくりしていたのですが、日に日に痩せていき、この子、どんどん痩せていくね、なんてご近所さんと心配したりしてました。
だから、もしかして、どこかで飼われていた子なのかな、、、とちょっと気にはなっていたのです。
怪我したてんちゃんをうちで保護したときも、「もしかしたら、、、」という思いが頭をかすめたので、しばらくはてんちゃんを探している人が現れないか、ちょっとネットで検索してみたり、近所の電柱の張り紙なんかを気にしてみたりもしてました。
でも幸か不幸か(?)いっこうに探されている気配が見受けられなかったので、そのままうちの子になってもらったのです。
だけど、、、。
嫌な予感はやっぱり的中で、てんちゃんは捨てられたか、迷子になったか、とにかくなんらかの事情で、私達とのこの一件の前に、一度「家族」と「居場所」を失うというとても悲しい目に遭っていたようでした。
Iさん曰く、その時のトラウマが今またぶり返している、と。
こういう経験は1度だけでもやっかいだけど、もともとトラウマを抱えている子だと更に深く傷ついているから、その恐怖は計り知れないものになっている、とのことでした。
私、どうして「わかってくれないの?」なんて思っちゃったんだろ・・・。
まだまだまだまだ、わかってないのは、私達の方だった。
そりゃ、距離が縮まる訳がないよ。
ある意味、すがすがしい気持ちになりました。
そしてそれを受けた上で、どうやってまたてんちゃんと向き合うのがいいのか、改めて、気持ちと頭を奮い立たせて、立ち向かっていこうということになりました。
(続く)
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