<迷子猫探し/No.22>てんちゃん失踪の本当の原因(アニマルコミュニケーターに迷子猫の気持ちを教えてもらう/失踪から40日後)
いまだに気にかけてお手紙をくださる地元の方。とてもありがたいです。ネコのイラストと車のシールが何とも言えない味を出しててかわいい...!
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捜索期間を通してお世話になったアニマルコミュニケーターのIさんは、求められれば親身になって応じてくれますが、自分からは決してあれこれ忠告めいたことを言う方ではありませんでした。
そんなIさんが、1度切った電話の直後に、自ら改めて電話をかけてきてくれることはとてもまれでした。
それだけに、なにかあったのかとビックリして電話に出ると、いつものようにゆっくりと穏やかな口調で、次のようなことを報告してくれました。
「さっき電話を切った後に、もしかして、、、と思って、てんちゃんにもう1度聞いてみたんです。
『てんちゃんは今、自分だけが捨てられちゃったと思ってるんじゃない??
お父さんとお母さんは、てんちゃんだけを遠くに置き去りにして、コルクちゃんだけを連れてさっさとお家に帰っちゃって、ろくに探しにも来なかったって、思ってるんじゃない??』
それを聞いたてんちゃんは、
『2人にとってはコルクだけが大事で、自分はもういらない子だって捨てられちゃったんだと思った。
でもそれを口にしたら、本当のことになっちゃう気がして、怖くて怖くてずっと言うことができなかった』」
・・・もう言葉がありません。
てんちゃんがうちにきてからのコルクとの関係のこと、それについてIさんにもらったアドバイスのこと、いろんなことを自分たちなりにクリアしてきたと思っていましたが、まだまだ本当の意味で伝わってなかった部分はいっぱいあったようで、てんちゃんは普段から疎外感を感じていて、それに今回の失踪事件がぶつかってしまったのです。
というか、もしかしたら私達がもっとてんちゃんとコルク&自分たちの関係について深く考えていたら、てんちゃんはあの時逃げ出さなかったかもしれない...。
そう思うと、てんちゃんに申し訳ないやら自分が情けないやらで、またしても涙があふれてきてしまいました。
実際てんちゃんが逃げていった時の状況は、てんちゃんが「自分だけ捨てられた」と思うに十分な状態にありました(私とコルクは車に残り、てんちゃんをだっこしたダンナだけが外に出た)。
そして言われてみれば、一番最初にIさんに相談したとき、Iさんはしきりと
「男性にだっこされている姿が見える」
とおっしゃっていました。
その時私達の最大の懸念事項は、てんちゃんがだれかに連れ去られていないかどうか、ということだったので、当初これはそれに対するコタエだと思っていました。
さらに状況を細かく確認してみると、その描写は、ダンナが車からてんちゃんを出したときの状況に当てはまったので、その男性はダンナだと思います、という話しをして、Iさんも、それがダンナさんだったとしたら、たぶん他人に連れ去られてはいないと思います...とおっしゃっていたので、私達はすっかり安心してしまっておりました。
でもおそらくこの時のイメージが、「捨てられてしまう」という恐怖とともにてんちゃんには強烈に残っていて、Iさんに伝わったなんじゃないかな、と後から思いました。
いずれにしても、改めて呆然、です...。
捨てるだなんて、そんなひどいこと、する訳ないじゃないか!!!
だけど伝わってなかったら何の意味もありません。
てんちゃんはその恐怖と悲しみと、1ヶ月もの間、たった1人で戦っていました。
そりゃ、覚悟を決めるよ。
今更戻ってこいって言われたって、なに調子のいいこと言ってるんだってなるよ。
いろんなことに納得がいきました。
いったけど、もうどうして良いのか分からない...。
そんな私の気持ちを見透かしたかのように、Iさんは続けてこうおっしゃいました。
未来は自分で切り開くもの
「もう(気持ちを)伝えるしかないと思います。
実は前回ご相談を受けたときのことなんですが、、、。
相談が終わった後に、あなたがてんちゃんを腕に抱いて涙を流している姿が見えたんです。
でも、未来はいかようにも変わります。
だから下手に喜ばせても意味がないと思って、その時はあえてその話しはしませんでした。
ただ、あの瞬間、私にはそんな姿がみえました。そんな日がまた来るかもしれないんです。
私も祈ってます。頑張ってください」
いよいよてんちゃん探しの本番が始まりました...。
(続く)
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