<迷子猫探し/No.20>戻って来ようとしないてんちゃんの気持ちを確かめる(アニマルコミュニケーターに迷子猫の気持ちを教えてもらう/失踪から40日後)
てんちゃんを通して見える風景として、アニマルコミュニケーターIさんが描写したものの一つに「えんぴつみたいなもの」がありました。最初は???と思ったのですが、もしかしてこれのこと??(家畜用サイロ)と思って確認したら、まさにこれで、実際てんちゃんが見つかった場所にはサイロが点在していて、てんちゃんはこのサイロが見えるあたりを拠点にぐるぐる生活していたようでした。
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飼い主が生きてる姿を確認できた子は、ほぼ100%無事保護できる...。
これは迷子猫探しの掲示板などでよく言われる鉄則(?)なので、私達はとにかくてんちゃんの生きてる姿を探すことに必死になってました。
あまりに必死だったので、見つけたあとのことなんて考える余裕がなかったというのが正直なところですが、でも漠然と、姿が見えれば、うわーーーっとこっちに駆けよってきてくるものと心のどこかで思っていたような気もします。
それが、思い詰めた顔で脱兎のごとく逃げてしまうとは...。
あまりに想定外過ぎる変化球と、じゃあ一体どうしたらてんちゃんを連れて帰れるのか、なす術がなさすぎて、とりあえずアニマルコミュニケーターのIさんにまた相談してみよう、ということになりました。
てんちゃんが無事でいたことを報告するととても喜んでくれたIさんでしたが、その後、Iさんを通して聞かされたてんちゃんの気持ちはとてもショックなものでした。
てんちゃんの決心
今回みてもらう前の2回(てんちゃんがいなくなった直後の1回目と、そのあとの2回目)の時は、I さんがてんちゃんにコンタクトをとると、事態に呆然としていたてんちゃんは、Iさんに必死にしがみつくようなそぶりを見せたそうです。
それが今回はもう全くなく、
「すでに野良猫として生きていく決心をしてしまったところだ」
とIさんに告げたそうです。
もちろん私達が現れたことは、わかっている。
わかっているけど、1ヶ月もの間、全然姿を見かけなかったから、今さら帰ってこいと言われてもあまりにも突然すぎて戸惑っている。
それがてんちゃんの率直な気持ちだったそうです。
つまり、てんちゃんの側からしても、
「お前ら1ヶ月間、どこにいたんだよ!!」
ってことだったんですね。
最初これを聞いた時、私はかなりぶ然としましま。
いやいやいやいやいや。
それはこっちのセリフですから。
あんたが知らないだけで、こっちは毎日死ぬ思いで探してましたから。
確かに、今回のきっかけを作ったのは私達だけど、あの時SAから全力で走って逃げたのは、あなただよね。こっちは血相変えて追いかけたのに、立ち止まることなくいなくなっちゃったじゃないか!
まさに親の気持ちも知らないで、的な話です。
でも、そう思ってからすぐに反省しました。
てんちゃんは、電話やメールを使うことはおろか、言葉で誰かに自分の窮状を訴えて助けを求めることができません。
チラシを作ってポスティングしたり、折込広告を入れて
「東京から来てるのっぽの夫婦知りませんか」
と聞いてまわることもできないのです。
当たり前ですが、私達とてんちゃんは決して対等な立場になく、圧倒的にてんちゃんの方が不利で、孤独で、かわいそうな状況にあったのです。
Iさんはそこまでのことは言いませんでしたが、でもとにかくこちらの気持ちを一生懸命伝えるしかない、とおっしゃいました。
どれだけ心配して探していたか、てんちゃんの姿が見えたら、遠くからでも話しかけて聞かせてあげてください。口に出して言ってあげるのが一番いいけれど、心の中で強く念じるだけでも伝わりますから、と。
それが伝わって、てんちゃんが納得しない限り、まずこの状況は氷解しないでしょう、とのことでした。
ただ...。
「うーん、なんだろう...。なんか、まだあるんですよね」
Iさんはポツリと続けます。
「なんかまだ、言いたいことがあるみたいなんですが、口をつぐんで話してくれません」
「野良で生きていく決心をしたってことは、もうおうちに帰りたくないってことなの??、と聞くと、ものすごく悲しそうな顔をしてうつむくんですよね...」
実は言われてみるとIさんは、1番最初にてんちゃんにコンタクトを取ってもらった時から、 うーん、なんかあるんだけどなぁ、 というセリフを時々ぽつっとおっしゃっていました。
当初は解決すべき問題がほかにも山のようにあったので、私はそのセリフを聞いてもあまり深堀りをすることなく、ある意味スルーしてましたが、ここへきてそのセリフががぜん存在感を増し始めたので、今回はIさんに食い下がりました。
でも、現状ではIさんにも分かりかねる、とのことだったので、とにかく今は、てんちゃんを決して見捨てた訳ではないこと、この1ヶ月間、事態の深刻さを敏感に察知した飼い犬のコルクもお腹を壊しちゃうほど(下痢になって、普段滅多にしない粗相を部屋でしちゃってました)、みんな必死に探していたんだよ、ということをなんとか伝えてみます、とIさんに約束して、電話を切りました。
しかしその数分後、Iさんから急にまた電話がかかってきたのです。
(続く)
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