<迷子猫探し/No.3>ペット探偵を雇うべきかどうか。(失踪直後、2015年7月3日深夜〜朝)
迷子猫探し業界(?)では評判の高いとあるペット探偵の方のテンプレートとアドバイスを元に作ったB5サイズのチラシ(意外とこのテンプレートを使っている人が多く、動物病院などでよくお揃いのチラシを見かけました)。この後、目撃情報や状況に応じて文言を数回改訂し、手配り分だけで計2千枚、新聞折込で計1万枚ほど用意しました。まさか自分がこんなチラシをまく側にまわる日が来ようとは...。
*****
てんちゃんが逃げた直後からダンナはずっとSAの敷地内と、付近を探しまわっていたのですが、わたくしは疲れてしまったのと、暗闇の中、見つけられる気が全くしなかったので、車にこもって、スマホでひたすら情報収集を始めました。
「迷子猫 探し方」
と入れるだけで、様々な掲示板・体験談が見つかりました。
そんな中、一息つきに戻って来たダンナが、
「ペットを探す探偵みたいな人がいるって聞いたことがある」
と言い出したので、早速調べてみました。
すると、迷子猫だけを専門に扱っているとあるペット探偵社のページにたどり着きました。
そのサイトには、
「◯◯ペット探偵社は詐欺です!」
など、他社を否定する扇情的な言葉が踊っていたので、ちょっと面食らってしまったのですが、とりあえず代表のSさんのお名前で検索をかけてみると、迷子猫を実際無事連れ戻した複数の方のページで高い評価を得ていて、かなりの実績がある方だということがわかりました。
そこで、意を決して掲載されていた携帯番号に電話をしてみることに。。。
深夜12時もまわり、本来ならばかけるには大変失礼な時間帯でしたが、職業柄大丈夫だろうと勝手に考え、何度かコールするも、さすがに出ず。
諦めていたら、しばらくしてショートメッセージで
「メールして」
とだけ送られてきました。
その後、状況をメールしたら夜があけてから電話を下さったのですが、結論から申しますと、この方に依頼することはありませんでした。
正確にいうと、頼みたかったのですが、どうやら遠方(東京都内以外)への出張は引き受けてないようで、やんわり断られてしまいました(捜索期間中、不定期にお電話でアドバイスは頂きましたが)。
その時は自分達だけでは絶対にどうにもならないと思っており、わらにもすがりたい気持ちだったので、Sさんがダメなら他には、、、と、更にネットサーフィンをして、いくつかまともそうなペット探偵社を2、3リストアップして、ビジネスアワーになるのを待って、片っ端から連絡をとってみました。
でも、結果、どこにも頼みませんでした。
というか、彼らと連絡をとってみて、
探せるのは自分達だけだ
という確信を深めたのです。
なぜそんなことを思ったのか。
理由は色々ありますが、一番大きかったのは、
わたくし達以上にてんちゃんのことを理解している人間はいないから
ということでした。
まず1軒目のペット探偵社は、電話した直後に
「◯◯分後にかけ直します」
と言われて、◯◯分待ってみたのですが、かかってきませんでした。
もうそれだけで「ないな(怒)」と思ったのですが、そこからだいぶたって忘れた頃に電話がきたので、とりあえず状況だけでも相談してみようと思って話をしてみたら
「知らない場所で迷子になった猫はですね、基本的にみんな怯えてますから、まず遠くには行きません。まだサービスエリアの中に隠れていると思います。だからサービスエリアの中に捕獲器を仕掛けて、食べ慣れているご飯を置いてあげると、たいていはあっという間に捕まりますよ」
と言われました。
その時点で、ネットサーフィンしすぎてかなり耳年増になっていたわたくし。
一晩でざっと見ただけでも色んな事例があり、捕獲器を仕掛けてもなかなか捕まらなかったという話もたくさん読んでいただけに、たとえ気休めだとしても、そんな定型文みたいな呑気なコタエってあるかよ、、、と不信感を強めてしまいました。
で、プリプリしながら、次、2軒目。
そこは、若い男性がこと細かにてんちゃんの性格、これまでの飼育環境などを聞いてきました。
・うちに来るまでは野良ネコだったので、外での暮らしには比較的慣れていること
・その割には人なつこく、野良時代も通りかかる人みんなにかわいがられていたこと
・頭がよく好奇心が旺盛で、無駄に怒ったりわめいたり怯えたりすることがないこと(今まで「シャーッ!」と威嚇した姿を見たことがないこと)
・うちに来てからの2年弱は完全室内飼いだったこと
などなど...
しばらく聞き取り調査をされた後に、言われたことが次の言葉でした。
「去勢をしているとはいえ、オスでそういう性格なら、どんどん遠くへ逃げていってしまっていると思います。はやいとこ動かないと、捜索範囲が広がりすぎて大変なことになりますよ。
それに、飼ってたったの2年ですよね、、、。飼い主さんとの信頼関係、できてましたかね。元々ノラだったことを考えても、うーん、難しい気がするんですが」
この最後の言葉が強烈に刺さりました。
そんなの言われなくてもわかってる。
わたくし達だって、今、実はそこが一番不安なんだ。
それでもうちに来てもらってからの2年間、わたくし達はわたくし達なりのやり方で、精一杯てんちゃんと向き合ってかわいがってきたつもりでいた。それが伝わっていたかどうかはてんちゃんにしかわからないことだけど、そんなこと、今はじめて話しをするお前になんか、言われたくない!!!
ましてや、不安になっているこちらを更に不安にさせるような言動をする相手と組んだとしても、ちっともうまくいく気がしなかったので、コイツに頼んだってロクなことはない!そう思いました。
・・・結局、ペット探偵を雇うべきかどうか。
うちの判断基準は、頼みたいと思える相手かどうか、そこが一番大きかったような気がします。
また、いずれの探偵さん達も、一般的な猫の行動論理には詳しいかもしれないけれど、最後の最後、じゃあうちのてんちゃんの場合はどうなのよ?ということを思った時に、どれもこれも甚だしくピントがずれているような気がしてなりませんでした。
それはもう、飼い主であるわたくし達のカンでしかなく、「てんちゃんはそんな行動はしない気がする」という漠然としたものでしかありませんでしたが、とはいえ、その的外れな感じのモノに、決して安くはないお金を払う気にもなれなかったので、最終的には腹をくくって自分達の感覚・いままで見て来たてんちゃんのあれこれを信じて、てんちゃんをプロファイリングし、まずはそれを軸にして、自分達だけでやれるところまでやってみよう、と決意しました。
それでも人手は少しでも多い方がいいので、ペット探偵に依頼する、というやり方もアリだとは思います。
ただ、わたくしがネットサーフィンをもとに簡単にあたった2軒だけでも、見立てはまっぷたつに割れました(前者は「遠くに行ってないはず」。後者は「どんどん遠くに行っちゃうだろう」)。
しかも結論から言うと、わたくしが直感で感じた通り、そのどちらの見立てもハズレていました(てんちゃんは、逃げた直後からSAを離れていたようで、最後までSAには戻ってきませんでしたが、思っていたほど遠くには行っておらず、いなくなった2ヶ月間、ほぼ同じ場所で生活していたようです。また最後まで捕獲器にもかかりませんでした)。
だからこそ、迷子猫を探すのは難しい、ってことなんですが、要は、それを覚悟の上で頼むかどうか、それが大切なんじゃないかな、と思います。
たとえハズレの見立てだとしても、選択肢が絞り込める、というのは迷子猫探しにおいてかなり重要です。何か軸を作って1コ1コ可能性をつぶして探していかないと貴重な時間を無駄に過ごしてしまうだけなので、ペット探偵の人にはその軸作りを手伝ってもらう、くらいの感覚でお願いするといいんだろうな、と思いました。
(続く)
【今回のポイントのまとめは次の通り】
<ペット探偵は、頼むにしても丸投げはすべきではない>
あくまでも探す主体は飼い主である自分達である、ということを忘れずにいるべきだと思いました。中には自分達は一切動かずにペット探偵に丸投げをする人もいるようで、それで見つかるケースもあるようですが、それは本当にレアな事例だと思っていた方がいいです。逃げちゃった猫ちゃんのことを本当に理解しているのは飼い主さんだけです(ペット探偵の方は、当然ですが一度も当事者の猫ちゃんにはあったことがありませんので)。他者の意見を聞くことも大事ですが、それを盲目的に信じるのではなく、今まで飼ってきた絆も信じて、自分はどういう探し方をしたらいいと思うのか、あの子だったらどういう行動をとると思うのか、それにのっとって探すことも重要です。
チラシ類も、捜索を頼めば、パッケージプランで作ってくれる探偵社もあるようですが、枚数が少ない場合もあるので、その際は、下記の印刷会社等を使って自前で手配することを検討することもおすすめします(とにかくチラシは生命線です)。
また残念ながら、ペット探偵には詐欺も多い、という悲しい事実もあるようです。また、詐欺を働くつもりがなく、真剣にやってくれたとしても、見つかる保証がないのもこの職業の難しいところだと思います。
それに対して自分がどう納得するのか。そこが最大のポイントでしょうか...。
なお、いわゆる一般の探偵社(興信所)や便利屋さんは、迷子猫探しにおいては、ほぼほぼ使い物にならないと思ってて間違いないと思います。彼らをおとしめるつもりはありませんが、「プロ」であるペット専門の探偵でも結果が簡単に出せない世界なので、ノウハウの積み上げがない人にはまず無理だと思います。わたくしも実際自分で探してみて死ぬ思いをしましたので、それは彼らも一緒だと思います。
こちらの記事もあわせて参考に・・・!