<迷子猫探し/No.37>猫はブログを書かない(てんちゃん探しを通して一番学んだこと/エピローグ)
夜中にふと目が覚めて、てんちゃんが横で添い寝をしてくれているのを見ると、しみじみします。こんな日がまた来るのかな、と不安に思っていた日がウソみたいです。
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さて、ダラダラと長きにわたって振り返ってきた約2ヶ月間の迷子猫てんちゃんの捜索記ではありますが、ひとまずこれにて完結、ということになります。
この55日間は、本当に、辛かった。
だけれども、私たち以上にてんちゃんは辛かったと思います。
私とだんなは、アニマルコミュニケーターのIさんを通しててんちゃんの気持ちを色々教えてもらい、それと必死に向き合いましたが、なかなかうまくいかず、捜索活動に行き詰まってしまった時、私は思わずこんな本を読んでしまいました。
これは、漫画家の吾妻ひでおさんが、家族を捨てて失踪していた期間のことを綴った自伝的漫画なんですが、これを読むことで、逃げている側の気持ちが少しでもわかるんじゃないか、と思ったんですね。
今思えば笑ってしまう話で、吾妻さんとてんちゃんは、失踪したそもそもの出発点が全く異なるので(吾妻さんは自らの意思で姿を消しましたが、てんちゃんは私たちの不注意で行方不明にしてしまいました) 吾妻さんにてんちゃんを重ね合せるのは少々無理のある話です...。
でも当時の私はそれくらい必死で、追われる立場の人は、てんちゃんは、一体何を考えて逃げているんだろう、どう向き合ったらいいんだろう、と必死にコタエを探していました。
いっそのこと、てんちゃんが、吾妻さんのように自分の気持ちや状況を綴って、どこかに発表してくれたらいいのに、とすら思いました。
でも、猫にはそれができません。
それでも、あふれんばかりの思いは抱えて生きています。
それを、自分たちの都合で勝手に解釈せず、良いことも悪いことも一旦全部受けとめて、てんちゃんと自分達は「同じ」ではないんだ、ということをはっきり自覚した上で、どうやってお互いの思いを通わせていくのか。
そんなことを学んだ2ヶ月でした。
「猫はブログを書かない」とは
「猫はブログを書かない」
この妙なタイトルには、そんな私の思いが詰まってます。
そしておそらくこれは、猫と人間の間だけでなく、人間同士にも通じることだと思いました。
多分、てんちゃんがいなくなる前の私は、その部分にまだまだ全然自覚が足らなくて、「勉強しろよ」って天から宿題が降ってきたのかな、なんて終わってから思ったりもしました。
でもそれもこれも、てんちゃんが無事生きていてくれて、再び私たちの手元に戻ってきてくれたから思えることで、もしもてんちゃんが死んでしまっていたら、、、と思うと、本当に恐ろしくなります。
それだけに、日頃から一生懸命コミュニケーションをとることは大切ですし、物理的に迷子にさせない環境を築いていくことも大切だと思います。
それでも...。
迷子にさせてしまう時はあると思います。
そんな時は、この私たちとてんちゃんの55日間の記録がお役に立てばいいなと願っております。
まだまだ改めて思い返したら、抜けている部分は色々ある気がするのですが、それはまたこれから少しずつ更新していこうと思います。
世界中のニャンと、ニャンと暮らす人々の毎日が、笑顔で溢れますように...!
このブログをお読みの、迷子猫探し中の方の元に、無事猫ちゃんが戻ってきますように...!!!
切に、切に願っております。
2015年 大晦日
てんの飼い主
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